ネコ用人工血液の開発に成功、国際宇宙ステーション「きぼう」での実験が貢献

​​​​​​​大西卓哉

中央大学理工学部 小松晃之教授率いる研究チームが、ネコ用人工血液の開発に成功しました。

この人工血液 、製剤名ヘモアクト-Fはヘモグロビンを遺伝子組換えネコ血清アルブミンで包んだ構造。血液の役割のうち、赤血球のように酸素を運ぶ機能を備え、輸血が必要なペットの治療に利用できます。

ネコやイヌには人間の赤十字のように輸血用血液の採血・備蓄・供給の仕組みがなく、輸血が必要な状況になっても、個々の動物病院がツテを辿るなどして手配せざるを得ないことが、ペットの医療において大きな課題となってきました。

小松教授らの開発した人工血液(人工酸素運搬体)は血液型による影響がなく、また粉末や輸液パックの状態で長く保存できることから、市販化されればペットの医療に大きく貢献することが見込まれます。

発表が中央大学と宇宙航空研究開発機構JAXAとの連名になっているのは、国際宇宙ステーションISSの日本実験棟「きぼう」 で遺伝子組み換えネコ血清アルブミンの構造解析を実施したため。

宇宙ステーションの微小重力下では解析しやすい良質な結晶が得られるため、X線構造解析で立体構造を解明したことが、人工血液の開発に大きく貢献したとされています。

小松教授は従来からこのヘモグロビンをアルブミンで包んだクラスター構造の人工酸素運搬体、製剤名ヘモアクトの開発に取り組んでおり、2016年には同じくJAXAとの共同研究でイヌ用のヘモアクト-Cを発表していました。

ヘモグロビン

なお、原材料のヘモグロビンはウシ由来。イヌ・ネコの血液を確保する仕組みはなくても、ウシならば工業的に育てられ解体され肉も血液由来成分も流通しているため。🐮🙏

小松教授はヘモアクトのヒト用を含む実用化とともに、ヒトや動物由来の成分を使わない完全合成による製造も将来的な目標として挙げています。

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(2018年3月21日Engadget日本版「ネコ用人工血液の開発成功、国際宇宙ステーション「きぼう」微小重力下実験が貢献😺」より転載)

Source: ハフィントンポスト