祖母が 97歳でこの世を去るまでの7年間の記録。「懐かしいというより、尊い」

Kazuhiko Iimura

長い間やろうと思っていても、

なかなか実行に移せなかったこと。

それが撮りだめた家族の日常映像を編集して、

ひとまとまりの記録にすること。

まずは祖母に関するところだけでも…と決心して、

数年前から仕事の合間に少しずつ作業をして、

去年の夏、一応完成した。

以下は、そのときに記した文章です。

がんとの闘いを何度も克服し、97歳まで生きた祖母。

完成したVTRは、

祖母が90歳のときの正月から始まり、

97歳でこの世を去るまでの7年間の話だ。

その間に生まれた、

うちの子どもたちの素材も組み込んだ。

撮影舞台は、ほとんどが実家。

シーンも私どもが実家を訪れる盆と正月が大半だから、

当然、似たような場面の繰り返しになる。

ところが、実際に映像や写真を時間軸で見ていくと、

毎年の繰り返しだからこそ、

「そうなのか…」

と合点するところが多々あった。

ばあちゃんと万弥とブレット= 1998年6月21日

当然ながら祖母は年々、老いていく。

“老いが深まる”といった方が適切かもしれない。

けれども、

「生きよう!」

「生き切ろう!」

とする意思は健在で、

末期がんで死の淵に瀕したときも、

70年間連れ添った夫(祖父)と死別したときも、

祖母は強い意志でその都度、奇跡的な回復を遂げた。

もちろん歳が歳だから、顔に刻む皺は年々深くなるし、

幾度となく繰り返される玄関をでる様子は、

一人でスタスタ歩いている姿から、

家族の誰かに抱えられて移動する姿へと変わっていく。

けれども、それは単なる身体的な老いでしかないようで、

祖母の老いと反比例するように、

年々成長するひ孫たちに接しては、

祖母は自身の中にある、

「生きる力」を再確認していたように思える。

photo:kazuhiko iimura

家族の中に高齢者が存在していること。

自宅とケアハウスを行き来する祖母の生活。

そんな祖母の生活を支える父や家族の日常。

話を少し一般化してみると、

当時のあの家には、

「在宅介護」や「老老介護」、「施設と自宅」…等々の問題が、

すべて当たり前に存在していた。

その上で、家族や親族が高齢者を敬い、ともに日常を生きる。

もちろん、介護する側の負担は大きい。

実家にいる家族たちの苦労は並大抵ではなかったはずだ。

でも、だからといって特別なことをする訳じゃない。

明るく楽しく…

どんなときでも…いつも通り、普段通り。

そんな「いつも通り」がどれほど大切で、

どれだけ掛けがえのない時間だったことか。

懐かしいというより、尊い。

Kazuhiko Iimura

さて、現実的な編集作業はといえば、

これが思っていたより大変だった。

7年間とはいえHi-8やDVの映像が、テープで約40本分。

その中から祖母にまつわる部分だけを抜きだす。

もちろん写真もたくさんある。

そんな素材を時系列にそって忠実に並べていった。

ナレーション原稿を読んだのは娘(現在、大学生)。

彼女が生まれたとき、祖母は94歳。

当時の記憶なんてないだろうけれど、映像は雄弁だ。

きっと彼女なりに「なにか」を見つけたはず。

結局、1時間15分ほどの「記録」になった。

それ自体は極めて個人的なものだけれど、

先に触れたように見ようによっては普遍的でもある。

だから、

今回再編集してブログにアップすることに…。

とはいってもネットで見る動画としては、

さすがに1時間15分は長い。なので全体を40分ほどに短縮。

さらに「上」「中」「下」と、

約15分ほどの動画、3本に分けました。

ひとつの「家族のかたち」として眺めて頂ければ幸いです。

興味のある方は、

時間のある時に、

一本ずつご覧ください。

Hana’s Life~ハナばあちゃんと子どもたち(上) ↓

Hana’s Life~ハナばあちゃんと子どもたち (中) ↓

Hana’s Life~ハナばあちゃんと子どもたち (下)↓

Source: ハフィントンポスト