「AirDrop痴漢」被害者の女性「本当に気持ち悪かった」 報告相次ぐ、自衛策は?

Apple社製品同士でデータを共有できる「AirDrop(エアドロップ)」のサービスを利用して、他人からひわいな画像などを送り付けられたという報告がネット上で相次いでいる。通称「AirDrop痴漢」と呼ばれる被害にあったという女性がハフポスト日本版の取材に応じた。

ラッシュ時の中目黒駅で被害に

被害を報告している一人、フリーライターのニシブマリエ(@marie_nsb)さん。10月3日午後7時すぎごろ、東急東横線中目黒駅で「AirDrop痴漢」に遭遇したという。

駅の改札からホームに向かう構内で、ニシブさんが使用しているiPhoneに通知が送られてきた。「この画像を受け取りますか?」と書かれた通知とともに自分のスマホに表示されたのは、男性器の写真だった。

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「気持ち悪い!」。もちろん、ニシブさんはすぐさま受け取りを拒否し、「辞退」をタップしたが、その後も2度、同じ画像が続けて送られてきたのだという。

帰宅ラッシュの時間帯。駅構内には大勢の人がいた。送ってきた犯人がどこにいるのか、全くわからない。何もできないまま、そのままニシブさんは目的地へと向かった。

気になって帰宅後にTwitterでつぶやくと、既に逮捕者も出ていることがわかった。「本当に気持ちが悪かった。加害者はいたずらのつもりかもしれないが、犯罪であることを認識すべき。新たな被害者が出ないよう、取り締まってほしい」と話す。

必ず目に触れる仕組み

例え見知らぬ人から不審な画像や動画が送られてきたとしても、受け取るかどうかは、受信者側が選ぶことができる。しかし、送信された時点でスマホ上には、プレビュー画像が表示されてしまい、必ず目に触れてしまう仕組みになっている。

一方で、プレビュー画像とともに表示される送信者の情報は、送信者側が入力した名前だけ。ほぼ匿名に近い状態で、誰から送られたかを特定することは難しい。

わいせつ画像に限らず、いたずら目的なのか不快な画像が送られた例もネット上では報告されている。また、この問題は日本国内だけでなく、欧米でも同様の被害が報じられている。

「迷惑防止条例違反」での逮捕例

「AirDrop痴漢」はどんな罪になるのだろうか?

2018年5月には兵庫県内を走行中だったJRの電車内で向かいに座る女性に対して局部の画像を送ったとする県迷惑防止条例違反の容疑で、会社員の男が逮捕された。

また、8月にも大阪府内を走る南海電鉄内で、わいせつな画像を送ったとする府迷惑防止条例違反容疑で、会社員の男が逮捕されている。

兵庫県の事例では、不審な動きをしていた容疑者に女性が気づいて写真を撮影したこと、大阪府の事例では、近くにいた目撃者が容疑者のスマホ画面を見て問い詰めたことから逮捕に至ったという。

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犯人特定は難しい

しかし、ネット上でのモラルや安全対策に詳しい、グリー株式会社社会貢献チームマネージャーの小木曽健さんは、「逮捕に至る事例はまれだと思います」と語る。

AirDropは、半径9メートル以内にあるアップル製の端末でデータをやり取りできるシステム。ニシブさんのように混雑した場所での被害や、離れた場所から送信された場合は、犯人を特定することが非常に難しい。

また、AirDropによるデータ共有は、携帯電話などの通信会社のシステムを経由しておらず、端末同士だけのやり取りで行われている。

そのため、「画像を受け取らなかったとしても、何らかの通信記録は残っているはず。しかし、Apple社が警察の捜査要請に応じて情報を開示することは、過去の例からも期待できません。被害の報告は多く、被害に遭わないために自衛することが必須になるでしょう」と小木曽さんは話す。

自衛のための設定方法は?

小木曽さんによると、被害を回避するために、端末の側で設定を変更する必要がある。

iPhoneユーザーは、設定>一般>AirDropをタップし、「受信しない」もしくは「連絡先のみ」を選択。

「連絡先のみ」にしておけば、データのやり取りは、iPhoneの電話帳機能「連絡先」に登録されている相手に限定され、見知らぬ人からの不審な画像・動画の受信を避けることができる。

AirDrop機能を使いたい時だけ、「すべての人」に戻せば、誰とでもやり取りができるようになる。

Source: ハフィントンポスト