液体ミルク「使用しないで」 北海道地震の被災地に送付された文書が判明(全文)

9月6日に発生した北海道胆振東部地震の被災地で、救援物資の液体ミルクがほぼ使われず保存されていることに関して、被災地の自治体に道庁側から通知されていた文書を、ハフポスト日本版が入手した。

文頭に大きく「日本では使用例がなく、衛生管理が難しい製品ですので、使用しないよう住民・関係者へ呼びかけをお願いします」という表現があるなど、全体として液体ミルクの使用自粛を呼びかける内容にになっていた。「使用自粛の要請ではない」とする道庁の説明の整合性が問われることになりそうだ。

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■ほとんど使われなかった液体ミルク

乳児用液体ミルクは、牛乳にビタミンなどの栄養分を加えたもので、成分は粉ミルクと同じ。粉ミルクと違ってお湯で溶かす必要がなく、封を切ればそのまま飲めるため、災害時の備えとして注目されている。

東京都は9月10~11日に、フィンランド製の乳児用液体ミルク1050本を北海道庁に提供した。北海道庁は避難所やミルクが行き届いていない家庭に届けてもらうため、被災した厚真、安平、むかわ、日高、平取の5町に約200本ずつを配布した。

しかし、北海道新聞は9月23日、道庁の災害対策本部などの職員が11日ごろ、胆振、日高両総合振興局や道立保健所に対し、「液体ミルクは国内で使用例がない」「取り扱いが難しい」として使用を控えるよう各町の担当者や保健師に知らせることを求めていたと報じた。この結果、厚真町で使われた1本を除いて、使用されなかったという。

これに対して、北海道庁は「今後の断水に備えて備蓄してほしいという趣旨で、使用自粛の要請ではない」と反論していた

 

■使用自粛を求める文面が冒頭に

しかし、ハフポスト日本版が入手した自治体への通知文書には、冒頭に大きな文字で「日本では使用例がなく、衛生管理が難しい製品ですので、使用しないよう住民・関係者へ呼びかけをお願いします」と使用自粛を求めていた。

その後も「現在は、水が確保されておりますので、使用しないでください」と続けられているほか、「日本の酷暑の季節での保存は想定されていません」「賞味期限の記載が日本の記載方法と異なり、間違えやすい」といったように、取り扱いの難しさを指摘する表現がほとんどを占めている。

同様の通知が、各被災地の自治体に送られ、液体ミルクの使用自粛につながったとみられる。

ハフポスト日本版の取材に対して、各自治体の担当者は「通知を受けて、液体ミルクは1本も使用しないことになった」「うちの町では使わなかったので、隣接する町に送っていたが、通知を見て『大丈夫なのか?』という話になった」と証言している。

 

■自治体への通知文書の全文

液体ミルクの使用について

○ 乳幼児向けの支援物資として、フィンランド製の「液体ミルク」の紙パックが、配布されていますが、日本では使用例がなく、衛生管理が難しい製品ですので、使用しないよう住民・関係者へ呼びかけをお願いします。

○ 使用を控える理由

・液体ミルクは、「衛生的な水が使えないときに有用」とされています。現在は、水が確保されておりますので、使用しないでください。(水がない場合の緊急物資としての扱い)

・本製品は、常温管理(25度以下)であり、日本の酷暑の季節での保存は想定されていません。

・開封後は、口をつけた飲み残しは破棄。蓋をして冷蔵保存が可能ですが、24時間〜48時間程度しか保存できないので注意。

・賞味期限の記載が日本の記載方法と異なり、間違えやすい。(2018年11月24日までの期限 24/11/18と記載)

・商品の説明書はフィンランド語。日本語訳は簡単な記載のみ

○ 液体ミルクが配布された先

安平町、むかわ町、厚真町、日高町、平取町(各町0〜6ヶ月用×6箱、6ヶ月~12ヶ月×6箱)

※被災地の栄養士から、使用方法の問い合わせがあり、北海道大学新生児科の先生が注意を呼びかけています。

※避難所には、「避難者対策班」から、「液体ミルクは本当に水がなくなった場合に使用するため、保管しておくこと」と連絡していますが、再度ご連絡いたします。


Source: ハフィントンポスト