私たちが届けるのは“企業“の話ではなく、“企業とあなた“のストーリー。NewsPicksとハフポストが明かしたブランドコンテンツづくりの秘訣

メディア運営の要ともいえる広告部門は、どんなコンテンツを作り、どうマネタイズをしているのか?

ハフポスト日本版は7月上旬、経済系ニュースメディア『NewsPicks』と一緒に「ブランドコンテンツ」について考えるイベントを開催しました。

普段はライバルともいえる立場ですが、お互いに「ネイティブアドやブランドコンテンツという仕事をもっともっと活性化させて、理解してもらいたい」という思いは同じ。両社のブランドコンテンツ制作現場から、リアルな声をお届けします。

イベントに登壇した、NewsPicks久川桃子氏(写真右)、NewsPicks呉琢磨氏(写真右から2番目)、ハフポスト日本版パートナー・スタジオ、チーフ・クリエイティブ・ディレクター川口あい(写真左から2番目)、ハフポスト日本版パートナー・スタジオ、クリエイティブ・ディレクター川崎絵美(写真左)

「面白い」だけじゃ、ブランドコンテンツの価値はない

自社のブランドコンテンツのポリシーを「編集記事とブランド記事の唯一の違いは、『クライアント=制作のパートナー』がいること」と語るのは、NewsPicksクリエイティブ・ディレクターの呉琢磨さん。

NewsPicks呉琢磨(ご・たくま)氏

呉さんはブランドコンテンツのよくある失敗例として「クライアントからの要望・制約が多すぎる」「”バズ”を狙って自由にコンテンツを作るように求められる」2つのケースを挙げました。

「企業とメディアが、読者に一方通行のコミュニケーションをしたときに、そうした失敗が生まれます。広告主の言いたいことを無視してバズった、逆に要望を聞きすぎて読まれないコンテンツになった、どちらの場合も”広告としての価値がないもの”になりやすいです」

クライアントの伝えたいことを、読者に対しても価値ある情報として提供することが大切。そのためにも、「まずはクライアント、つまり制作のパートナーにも同じ方向を目指してもらうよう志を共有する。そうすれば、制作側にとっても読者にとっても、おもしろくて価値あるコンテンツをつくることができるのでは」と述べました。

ゴールは、課題解決までの道筋を設計すること

では、クライアントと読者の双方にとってメリットのあるコンテンツを提供するために、NewsPicksが取り組んでいることは…? 

その答えに、NewsPicksの仕事の流儀が隠されていました。

呉さんが紹介したのは、NewsPicksの「ビジネスを動かすクリエイティブをつくる・とどける・つなげる」ための企画設計のフレームワークです。

「記事を作ることが仕事だと思われがちなんですが、テキスト記事というのはあくまでひとつの手段。広告主・読者に価値あるコンテンツを作るためには、色々な表現手段をとれる”発想力”が何よりも大切です」

NewsPicksでは、テキスト記事以外にもインフォグラフィックやイベントなど、様々な表現手段を用いてコンテンツを「つくっている」そうです。

「ブランドデザインにおいて一番大事なことは、読者に何かアクションを起こさせるコンテンツを作り、それがクライアントの課題解決にちゃんとつながっていることだと思います。最初にちゃんとヒアリングしてゴールを設定し、そのゴールに向けていろんなコミュニケーションの方法をデザインするのが、ブランド編集者の仕事なんだと考えています」

と、呉さんは最後に語りました。

ストーリーテリングをデザインして、自分ゴト化させる

続いて、ハフポストのブランドコンテンツ制作をする「パートナースタジオ(以降PS)」チーフ・クリエイティブ・ディレクター川口あいが、ハフポストならではのコンテンツ作りと制作の流儀について語りました。

ハフポスト日本版パートナー・スタジオ、チーフ・クリエイティブ・ディレクター川口あい

まず川口は、ハフポスト日本版のブランドコンテンツ3つの特徴を挙げました。

ハフポスト日本版では、PSが企画制作を担当するブランドコンテンツを「スポンサードコンテンツ」と呼ぶ。

そのうえで川口は「ハフポスト日本版のブランドコンテンツが特に大切にしていることは、“読者視点”と”媒体の独自性”の2点」であると言います。

「記事の見た目だけでなく、”中身がネイティブである”こと、つまり、常に読者視点を忘れないことを大事にしています。

クライアントが伝えたいことや、商品・サービスの素晴らしさを届けるのも大切なのですが、その前に、読者がどこに興味を持っておもしろみを感じるか、この記事を読んでどんなメリットを得るか、それらを読者視点で分析し、クライアントに提案する。その過程を重要視しています。読者を無視して、結果的に読まれない・受け入れられないコンテンツになることは、クライアントにもメディアにとってもマイナスです。

そのためにはまず、私たち自身が、読者をよく理解していなければなりません。時には、ハフポストというメディア全体を客観視し、感じたことを編集部にフィードバックすることも。内と外のバランサーとして立つことはとても難しいのですが、最も必要とされることです」

ハフポスト日本版PSは、”企業の話をハフポストがお届けします”ではなく、”あなたにとっておもしろくてメリットのある話を、企業とハフポストがお届けします”ということをテーマに、ストーリーテリングをデザインしています。

「らしさ」を掘り出して、伝える

ハフポスト日本版PSが大切にしていることの2点目、「媒体の独自性」について、川口は「”ハフポストらしさ”を徹底的に考え抜くことを意味する」と言います。

「”ハフポストらしさ”とは、ニュース編集部の個性的な記者たちが書く日々のニュースから生まれます。

例えば、多様性だったり、働き方だったり、女性の体についてだったり……ハフポストを構成するメンバーが興味関心を持って書いたそれらの記事によって、メディアが形成されています。我々パートナースタジオでは、それらをかき集めて抽出された”ハフポストらしさ”のテイストを取りまとめ、クライアントへの提案に昇華し、企画に落とし込んでいます」

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イベント後半では、登壇者らによるパネルディスカッションを行いました。

特色の違うメディアが、それぞれに同じ質問に答えました。

―THEME1. 編集者のスキルとブランド編集者のスキルの違いは?

ブランド編集者の必須スキルは「いいところを見つける力」

日経BP社で報道記者を経験し、現在はNewsPicksブランドデザインでチーフエディターを務める久川桃子氏。

ブランドコンテンツ編集者に必要なスキルについて、ジャーナリズムとブランドデザインの両面をみてきた観点から「ブランドデザインをしていて一番おもしろいと思うポイントは、企業のいいところを見つけて、その打ち出し方を助言してあげられることですね。クライアントや商品のいいところを発見して、それを読者に届くように上手く料理するスキルが求められます」と述べました。

NewsPicks久川桃子(きゅうかわ・ももこ)氏

―THEME2 スポンサーとの付き合い方は?

コミュニケーションコストは、結果につながる

スポンサーとの付き合い方、特に「方針が決まったあと、コンテンツの制作途中でクライアントから寄せられる要望」とどう向き合うかについて、ハフポスト日本版PSの川崎絵美は、以下のように述べました。

「記事の制作途中で、クライアントから当初とは違う要望が寄せられることもあります。その要望が読者視点と離れていると感じられた場合は、編集方針や制作意図をリスト化して、一言ずつ丁寧に、誠実に、説明しています。

コミュニケーションコストは大きくなりますが、それがオリジナリティにつながり、クライアント・読者の双方にメリットの多いコンテンツができると考えています」

ハフポスト日本版パートナー・スタジオ、クリエイティブ・ディレクター川崎絵美(かわさき・えみ)

そうしたやりとりの結果、他媒体で実施したタイアップと比べていい結果が出る場合もあり、クライアントとの継続的な関係にもつながっていると明かしました。

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この日は、定員数の5倍を超える応募の中から、ライター・編集者を中心に選ばれた「ブランドコンテンツ」に興味のある参加者が集まりました。

ブランドコンテンツ制作に関わる人間として、何ができるのか、何が必要とされているのか―――ハフポスト日本版パートナースタジオは、今後も真摯に考え、より多くの企業と読者の課題に向き合っていきます。

Source: ハフィントンポスト