節分豆で起こる子どもの窒息事故に要注意 のどに詰まったらどうするの?

写真は節分のイメージ画像です

2月3日の節分といえば、「鬼は外、福は内」の掛け声と一緒に鬼に向かって投げる豆まき。また、年齢の数だけ煎り大豆を食べる風習もある。

そこで気をつけたいのが煎り大豆の窒息事故だ。

慶友銀座クリニックの大場俊彦院長(耳鼻咽喉科)は「まず豆がのどに詰まったら、大学病院レベルの医療機関に電話で連絡し、指示を仰いでほしい。『気管支異物』は子どもの場合、全身麻酔の手術が必要になることもあるとても怖いものです」と注意を呼び掛ける。

豆が空気の通り道に詰まったら一大事。クリニックではなく大病院へ連絡を。

大場院長によると、豆を飲み込んで胃につながる食道ではなく、空気の通り道である気管支に入り込んでしまうのは、未就学児が多いという。ただ「小学生以上の子どもでも、親の見ないところで豆を高く放り投げてパクっと食べる遊びをしているうちに、気管支に入り込んでしまことがある」と話す。

食道ではなく気管支に入ると、呼吸ができなくなり窒息してしまう恐れもある。

子どもが豆を詰まらせた場合、近くのクリニックに駆け込んで取ってもらえるかも、と思ってしまうこともあるが、それは誤った判断かもしれない。

大場院長は「気管支異物は、レントゲンにも映りにくく、クリニックで除去できるものでもない。子どもが気管支に豆を詰まらせたら、全身麻酔をして、異物の除去手術をする必要がある」と説明する。

腹部を押したり背中を叩いたりして応急処置を家で試みる場合もあるが「応急処置でどうこうなるものではないことが多い。また、気管支異物を取り出す手術はベテランの医師でないとできない。とにかく早急に耳鼻咽喉科の医師がいる大学病院くらいの大きな病院に連絡し、耳鼻咽喉科の指示を仰いでほしい」と大場院長は話す。

これはクリニックではなく中規模の病院でも、耳鼻咽喉科の医師がいなかったり、人員的な問題で対応できなかったりすることもあるためだという。幼い子どもがいる家庭は万が一を考えて、自宅の近くの大学病院などの連絡先を節分前にチェックしておく必要があるだろう。

豆は子どもから遠ざけておこう

消費者庁は2月3日の節分を前に、子どもが豆を誤嚥する事故が後を絶たないとして注意を呼び掛けている。

具体的な事例として、1歳児などが親が目を離したすきに口にする事故があるとして「節分でまいた豆を、拾って食べてしまわないよう、豆まきの後は必ずきれいに掃除をするようにしましょう」としている。

また、小さな子どものいる家庭では、豆をそのまままくのではなく、小分け包装された節分用の豆を、袋ごとまいて楽しむという方法も紹介。まいた後に掃除が簡単にでき、小さな子どもが豆を拾って食べてしまうというリスクを減らすことができる。

豆を子どもから離し、簡単に手を伸ばせるところに置かないことが重要だ。

消費者庁によると、2010年12月~2017年12月の7年間で、14歳以下の子どもが豆やナッツ類を食べ、誤って気道に入り込んでしまった事故は27件報告されている。そのうち、20件が3歳未満。

豆やナッツを口にして誤嚥事故に至った14歳以下の子どもの年齢別報告数

理由としては、奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではなく、気道も狭い子どもが豆やナッツ類を食べると、気道に入ってしまうからだという。入ると気管支炎や肺炎を起こしたり、窒息したりするおそれがある。

豆やナッツ類を口にして、誤って空気の通り道である気道に入ってしまう事故は、報告件数は多くないものの、入院を要する例が16件と全体の約6割を占めている。

具体的な事例は?

消費者庁は、ホームページ上でいままでの豆類による子どもの誤嚥事故について、具体的事例を挙げている。どれも身近で、どの家庭でも起こりえる事故だということが分かる。

豆まきをした後に、1歳の子どもが床に落ちた煎り大豆をガリガリかじって食べていた。むせ込んでぜいぜいし、呼吸器障害の症状が出た。(1歳)

節分の残りの煎り大豆を食べた後からぜいぜいし始め、夜も眠れなかったため、翌日、救急車で来院。全身麻酔の上、気管支鏡検査、気道異物除去を行った。気管支に大豆の破片が3個あったため摘出した。5日間入院。(1歳)

ピーナッツを食べた直後にむせて、強いせきが続き、顔面そう白になり、来院時は、呼吸困難な状況だった。胸部CTにより、気管支に異物を認め、気管支鏡検査を行い、ピーナッツを確認し除去した。(3歳)

こうした事故を受け、消費者庁は「豆やナッツ類は3歳頃までは、食べさせないでください。また、小さく砕いた豆やナッツ類も食べさせないでください」と注意喚起をしている。

節分などの季節の節目のイベントでは、親戚の集まる場所などで「風習だから」とつい幼い子どもに与えてしまうこともあるが、大きな事故につながらないよう親以外の人であっても注意を頭に入れて子どもを守れるようにしたい。

Source: ハフィントンポスト